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こんにちは、たくそんです!
今回は薬学部の5年次に行われる実務実習について、何を優先的に予習するべきか解説します。
今回の記事は以下の人にオススメの内容となっています。
- 現在薬学部1~4年生で、これから実務実習を控えている
- 薬学部に興味がある・進学を考えている
これから実務実習を控えている人の中には、ちゃんと予習するべきか迷っている人もいるのではないでしょうか。
僕個人としては、予習してから望むことをオススメしています。
理由としては、実務実習の場は実際の医療現場になります。
当然ですが、患者さんの命がかかっていることもあって、現場で働いている人は結構厳しい人も多いです。
そんな中へ知識が入っていないまま行ってしまうと、結構悲惨な目に遭います。
最悪の場合、受け入れ先の施設から「実習の取り止め」と言われてしまうことです。
こうなると実習の単位がもらえない為、1年間留年することになってしまいます。
留年しないためにも予習してから実習に臨みたいところです。
とはいえ、「一体、何から手をつけたらいいかわからない!」という人もいると思います。
そこで今回は、薬局と病院それぞれの実習前に予習するべきポイントについて解説しました。
薬局では下記3点を優先して復習すると良いです。
- 薬理学
- 処方箋の見方、薬歴の書き方など
- 粉、シロップ剤など調剤手技の確認
薬理学はもちろんのこと、実際に調剤することがほとんどになるので、粉やシロップ剤の調剤手技を復習しておくと良いです。
病院の場合は
- 薬理学
- 検査値 (特に肝機能・腎機能・炎症反応値など)
- 薬物動態学 (TDM)
- 無菌調製の手技
病院では患者さんの血液検査結果などの情報が揃っているので、検査値から状態を把握する機会が多いです。
詳細についてはこの後解説していきます。順番に見ていきましょう。
なお今回紹介するポイントは、どの施設でも共通の最低限必要なものです。
実習先によってはこの他にも予習・復習しなければいけない分野も出てくるかと思いますが、
必要に応じて復習していくようにしてください。
薬局
薬局実習では状態が安定している患者さんがほとんどです。
そのため、薬局へもちこまれた処方箋をいかに正確に処理できるか・処方箋の疑わしい点を発見できるかが大事になってきます。
薬局実習で予習するべきポイントは
- 薬理学
- 処方箋の見方、薬歴の書き方など
- 粉、シロップ剤などの調剤手技
この3つになります。
薬理学
実習に備えて勉強するとしたら何から始めよう?
となったときに真っ先に挙がるのが薬理学だと思います。
でも薬理学だけでもかなり広い範囲ですよね…。
今まで習った範囲を全部復習するのは滅茶苦茶たいへんなので、
優先順位をつけて復習していくと良いです。
まず、よく出る薬として代表的な
- 高血圧
- 高コレステロール
- 糖尿病
- 風邪
この辺りはどこの実習先でも処方が来ると思うので、必ず覚えておきましょう。
次に確認したいのが、実習先の薬局の周りの病院です!周りの病院の診療科を確認してください!
そして、その診療科と関連している分野を復習しましょう。
耳鼻科が近ければ抗アレルギー系など、眼科の門前薬局であれば緑内障の薬といった感じです。
門前薬局でなくても、近い病院の処方箋がメインとなっていることが多いです。近い順に3箇所くらい確認するだけで十分です。
処方箋の見方、薬歴の書き方など
薬学部3,4年次どちらかで、実際の医療現場に関する授業があったかと思います。
その中でも
- 処方箋の見方
- 疑義照会の手順
- 薬歴の書き方
- リフィル処方箋
ここに挙げた内容はしっかりと復習してから望むようにしましょう。
特に4つ目のリフィル処方箋については、始まってからまだ日が浅く、現場の薬剤師の中で十分理解できていない人もいるかもしれません。
「学校で習ったんでしょ?教えてよ!」
となる可能性もあるので、人へ教えられるくらいにはなっておくと良いです。(まだリフィル処方箋開始前だったこともあり、実際に僕はこう言われました(笑)。)
粉、シロップ剤などの調剤手技
病院は人員が割と揃っているので、手を動かして調剤する機会はあまり多くないかもしれませんが、
薬局だと人員が少ないので、働き手の頭数へ入れられることが多いです。
ひどいところだと1日の内のほとんどの時間、粉薬とシロップ剤の調製に追われるような薬局もあるみたいです。
そのため粉やシロップ剤、軟膏の混合といった調剤手技の手順が怪しいと、現場のマイナス評価がデカイです。。。
調剤手技は1回見直すだけでもすぐに思い出せると思うので、必ず復習するようにしましょう!
病院
ここからは病院実習について見ていきます。
病院実習は薬局の時と違い、急性期の患者さんの経過観察をすることが多く、血液検査値などのデータも揃っていて観察しやすい環境が整っています。
急性期の患者さんを担当する機会が多く、何から手をつけて良いか混乱してしまう人も多いと思うので、優先順位の高いものから順に紹介していきます。
優先して復習するポイントは
- 薬理学
- 各種検査値
- 薬物動態 (TDM)
- 無菌調製の手技
この4つを優先的に復習していきましょう。
病態生理はいいのかという声があるかもしれませんが、病態生理はカバーすべき範囲がとても広く復習しきれないと思いますし、勉強した症例の患者さんに必ず遭遇するとは限りません。
紹介した4つはどこの病院実習でも必ずやることなので、先にこの4つから取り組むことをオススメします。
薬理学
病院の実習も薬局と同様、薬理学の復習が不可欠です。
入院している患者さんのほとんどが急性期疾患や抗がん剤治療中の症例です。
薬局実習の時と違った症例になるため、循環器系や抗がん剤について重点的に復習しておくのが望ましいです。
薬の薬理作用を完璧に復習するというよりも、薬の名前を見てどういった症例に使う薬なのかすぐに答えられるようにしておくと良いです。
特に抗がん剤の薬理作用を覚えるのは大変です。
実習の場では薬の薬理作用よりも適用疾患の方が重要なので、薬と適用疾患の結び付けを優先しておきましょう。
各種検査値
病院の実習では患者さんの血液検査データが揃っています。
ということは、血液検査の結果から服用薬の作用・副作用を評価することが求められます。
よく判断に使うため、最低限覚えなくてはいけないのが
- 肝機能(AST、ALT)
- 腎機能(血清Cr、クレアチニンクリアランス(CrCL)、eGFR)
- 炎症反応値(CRP、白血球数、)
この3つは最低でも覚えておきたいです。
上記以外にも、未分画ヘパリンやワルファリンを用いた抗血栓療法の評価指標としてAPTTやPT-INRといった血液検査を評価する必要などが出てくると思います。
先ほどの薬理学と同様、必要に応じて復習していく感じになると思います。
薬物動態 (TDM)
定期的に測定する血液検査結果や治療因子を基に、それぞれの患者さんに最適となるよう薬剤投与を個別化するTDMは病院実習ならではの項目です。
TDMは病院実習先がどこであっても必ず体験するみたいなので、絶対に復習しておきたいです。
実際の医療現場でTDMが行われる際は、パソコンのTDM専用のソフトにデータを入力してグラフを作成することがほとんどですが、実習先によっては薬物動態の定期試験に出てくるような課題が出されることもあるみたいです。
- TDMの対象薬剤
- 分布容積(VD)、クリアランス(CL)といった各種パラメータ
この辺りは復習するようにしておくと良いです。
無菌調製の手技
最後に紹介するのは無菌調製の手技です。
これも病院実習で必ず体験することになります。
個人的に病院実習で1番復習しておかないといけないポイントだと思っています。
なぜなら、抗がん剤は被曝の危険性があるからです。
誤って手に抗がん剤がかかってしまうと一大事です。
抗がん剤被曝用のレスキュー体制は整っており、迅速に処置してもらえると思いますが、
周りの人にかなり迷惑をかけてしまうので、本当に注意して作業する必要があります。
誤った手技で被曝。。。なんてことになると、かなりのマイナス評価をくらってしまうので、
調製手技をしっかりと復習しておきましょう。
まとめ:薬学部の実務実習は予習が必要?予習するべきポイントについて解説
今回は薬局と病院実習それぞれ復習するべきポイントについて解説してきました。
薬局の実習で復習するべきポイントは
- 薬理学
- 処方箋の見方、薬歴の書き方など
- 粉、シロップ剤などの調剤手技
薬局は来局する患者さんの容態が比較的安定していて立地条件の関係もあるので、
同じような診療科領域の処方箋が多くなりやすいです。
薬理学を復習する際は周辺の病院の診療科に合わせて復習するようにしましょう。
病院実習では
- 薬理学
- 各種検査値
- 薬物動態 (TDM)
- 無菌調製の手技
この4つを優先的に復習するようにしていくのがおススメです。
特に各種検査値と無菌調製の手技は復習していないと困る場面が多いので、必ず復習するようにしましょう。
ここで紹介した以外にも必要に応じて復習しなきゃですが、
ひとまずは今回紹介した内容を押さえておけば、悲惨な目に遭うことはそうそうないはずです!
今回の重要ポイントは
実務実習の予習は最低限、上記で紹介した項目をやっておくべし!
実務実習は全く新しい環境に飛び込むので、不安に思う人もいるかもしれませんが、
アルバイトと一緒で数日間で慣れます。
あまり気負いすぎずにいきましょう!
以上、たくそんでした!