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こんにちは、たくそんです!
今回は、薬学部の5年になると経験するであろう、病院・薬局の実務実習について解説します。
今回の記事は
- 実務実習を控えている1~4年の薬学生
- 薬学部に興味のある方
に読んでいただきたい内容となっています。
薬学部の5年生になると、実際の医療現場を体験する実務実習が始まります。
研修生として薬局・病院で実際の業務を見学・体験させてもらいます。
他の学部の大学生が企業のインターンシップに参加するような感じですが、
薬剤師国家試験を受ける薬学部は全員が強制参加となっています。
実習の期間は薬局と病院それぞれ2ヶ月弱程度です。
これまでの実習と違い拘束時間が長いので、やる気を削がれそうですが
薬局と病院実習はただの実習ではなく、今後薬剤師として働く姿を想像しやすいメチャクチャ貴重な機会です。
人によっては実習先の職場が気に入ってそのまま就職する人もいるくらいです!
なので、薬剤師として働くことをイメージしながら過ごすのがおススメです。
薬局と病院の実習はそれぞれどんな業務を体験するかというと、
薬局では
- 薬の取り揃え
- 患者さんへの服薬指導
- 在宅訪問の同行
病院では
- 入院患者さんとの面談・服薬指導
- 注射剤の準備
- 勉強会や多職種会議への参加
が主な実習内容です。
それぞれの詳しい体験内容を掘り下げて紹介しているので、
興味のある方は、ぜひ最後まで読んでいってください!
1. 薬局実習
薬局は薬を取り揃えて、患者さんへ説明するのが主な業務になってきます。
薬局と言っても
- 周りの病院の科・規模
- 薬局の立地
- 在宅訪問案件の有無
これらの違いによって、体験する内容がかなり変わってきます。
隣が小児科や耳鼻科だと、小児の処方箋ばかり経験することになるし、
在宅訪問案件が1つもない薬局だと、在宅訪問の経験がほとんどできません。
薬局の業務として先ほど挙げた
- 薬の取り揃え
- 患者さんへの服薬指導
- 在宅訪問の同行
について順番に見ていきましょう。
薬の取り揃え
処方箋の内容を基に薬を取り揃える業務です。
正直、この業務を1番やらされると思います。
単調になりがちな業務ですが、集める錠数や似ている名前の薬を間違えたりしないよう、
注意が必要です。
患者さんへ薬が渡る前に、他の薬剤師がチェックを入れる(これを鑑査と言います)と思いますが、
万が一チェックが漏れてしまうと、大問題です。
場合によっては、患者さんだけでなく処方医の所にも謝罪しに行くハメになります。
また、周りの診療科によって業務内容が全く違うことがあります。
小児科の近くだと、小児の薬として粉薬やシロップ剤を調剤する機会だらけになりますが、
逆に小児科がないと、粉薬やシロップ剤をほとんど調剤せずに実習を終えることもあります。
これに関しては、かなり運要素が強いです。
患者さんへ服薬指導
実際に患者さん相手に服薬指導をします。
始めのうちは、血圧の薬1つだけのような簡単な内容の服薬指導を体験し、
徐々に複雑な処方内容の服薬指導も経験することになると思います。
学校で服薬指導の練習をすると思いますが、時々思いもよらぬ質問をされます。
実際に僕がされた質問は
・テレビで見た健康食品、サプリについて
・体温計の使い方
でした。
自信の無い場合はすぐに他の薬剤師さんにバトンタッチするようにして、いい加減な回答をしないようにするのが重要です。
服薬指導後の薬歴記載も体験します。
薬歴はほとんどの薬局がSOAP形式で記録していると思います。
SOAP形式の書き方は大学で勉強するはずなので、しっかりと復習しておくと良いです。
在宅訪問の同行
在宅訪問の案件がある薬局だと
週に1回など定期的に患者宅や施設へ訪問して服薬状況などを確認します。
薬の管理が難しい患者さんだと
お薬カレンダーを用意して、薬をカレンダーへセットしていきます。
必要に応じて、ケアマネージャーや訪問看護の担当者へ薬の服薬の手伝いをお願いしたりもします。
訪問後は、処方医へ報告書を提出します。
必要に応じて、一包化や薬の種類を減らす提案を行います。
2. 病院実習
病院の実習では、主に入院患者さんに関わる業務を担当することになります。
実習で経験するであろう業務は主に以下の3つです。
- 入院患者さんとの面談、服薬指導
- 注射剤の準備
- 勉強会や多職種会議の参加
順番に見ていきましょう。
入院患者さんとの面談、服薬指導
病院と薬局の実習で違う点は
- 患者さんの状態を把握しやすい
- 状態の経過が追いやすい
- 薬局患者さんより重篤度の高い人が多い
薬局で対応する患者さんは月に一度来るような人がほとんどで、毎日の経過を追うことはありませんが、
入院患者さんは一定期間ずっと病院にいるため、毎日の経過を追うことができます。
そのため、何人かの患者さんを決めて定期的に面会し、経過を追っていくことになります。
入院中は定期的に採血を行うため、血液検査のデータが揃っていることが多いです。
薬局では血液検査の確認ができない場合も多々ありますが、病院ではそんなことはほぼありません。
肝機能や腎機能などの血液検査値についてはしっかりと復習しておくようにしましょう。
注射剤の準備
入院患者さんへ注射する薬の準備は薬剤師が行います。
実際にその場で投与するのは看護師さんですが、
抗がん剤や抗菌薬などの注射剤を調製するのは薬剤師です。
学校でも注射剤の調製を練習しますが、実際の現場ではかなり緊張します。
実習では失敗が許されていましたが、実際の医療現場では失敗できないからです。
本物の抗がん剤は腕にかかってしまうと壊死する恐れがあり、大変危険です。
値段も高いので、無駄にすると実習先の医療機関にかなりの損害が出ます。
無菌調製の練習は難しいですが、手技の確認はできるのでしっかりと復習しておきましょう。
勉強会や多職種会議の参加
病院では薬剤師の他にも様々な職種の方が働いています。
例を挙げると
- 臨床検査技師
- 管理栄養士
- 臨床心理士
ここで挙げた他にもたくさんの職種の方がいます。
感染症対策チーム、栄養管理チームといった形で、複数の職種から何人か集まって入院患者さんの巡回や会議が行われています。
薬剤師もこの会議に参加して、薬学的な視点から発言していきます。
実習中は見学しているだけかもしれませんが、他の職種の人から話を聞ける貴重な機会なので
結構勉強になります。
まとめ:薬学部の実務実習とは?
今回は薬局と病院の実務実習について、どういったことを体験するのか紹介しました。
どちらの職場も、これまで自分が学んだことがそのまま仕事へつながることを経験できます。
実際に働く場合も実習で行っていたことと同じ仕事だったりするので、
薬剤師国家試験に合格した後、薬剤師として働く場合のイメージもつかみやすいと思います。
5年次に行われる実習は、薬局と病院のインターンシップのような位置付けになっており、進路選択の参考にもなる貴重な機会です。
就職する際は職場の雰囲気なども決め手の一つです。
薬剤師として働く姿をイメージしながら過ごすことをオススメします。(これが結構大事なので、何回も言いました。くどくてすみません…。<m(__)m> )
最後に、今回の記事の重要ポイントです。
薬局と病院の実習は、進路選択の参考になる貴重な機会!
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
たくそんでした!