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こんにちは、たくそんです。
今回は有機化学を勉強した方や香り好きの方へオススメの1冊を紹介する記事です。
今回紹介するのはブルーバックスシリーズの “「香り」の科学~匂いの正体からその効能まで~ ” という本です。
このサイトは薬学部の方や薬学に興味を持った人向けの情報を発信していますが、
その中でも
- 有機化学が得意でもっと知識をつけたい
- 有機化学をこれまでとは違った視点で勉強してみたい
- 香料や香水に興味がある
上記に当てはまる場合はぜひ、読んでほしい1冊です。
この本のオススメポイントは
- 香料の視点から有機化学の合成を学べる
- 天然有機化学・分析化学などの復習ができる
- 香りについて体系的に学べる
の3点です。
順番に解説していきます。
香料の視点から有機化学の合成を学べる
有機化学では様々な反応経路を学びます。
…が、しかし!
大学で反応経路とにらめっこしている時は
「こんなの本当に役に立つのか?」
と疑問に思いながら勉強していた人も多いんじゃないでしょうか?
この本では、人口の香料は有機化学の知識をフル活用して作られているということを
反応式などを交えながら解説しています。
大学の有機化学の教科書で見たことのある反応がたくさん出てくるので、
「有機化学で学んだ知識がこういう現場で生かされるんだ」
という実感を持てると思います。
どういった場面で活用されているのかがわかると
有機化学を勉強するモチベーションアップにもつながると思うので、
有機化学合成の活用について興味のある人にオススメです。
天然有機化学・分析化学などの復習ができる
この本では香料を有機化学の知識を活用して人工的に合成する方法だけでなく、それらを分析する方法についても解説しています。
ただし、そういった話をする場合は
解説する上で、どうしても有機化学や分析法など下地となる知識が必要になってきます。
この本では大学などで専門的に学んでいない人でも内容を理解できるように
それぞれの話の最初で必要な知識の概論を解説してくれます。
例えば、有機化合物の構造によって香りに特徴があることを解説する章の場合、
幾何異性体や光学活性体、官能基についての解説も一緒にしてくれます。
全くの初学者でもわかりやすいように基本的な所から解説しているので、
これまで習っていた人の良い復習教材でもあるのです。
特にオススメなのが、巻末にある”化学構造を知る”の章です。
大学で習う化学構造の推定分析(赤外線スペクトルとかの所です)についての基本をわかりやすく解説してくれています。
僕の大学時代、この分野のレジュメや教科書は文章で細かく解説されていることが少なく、苦手な子が多かったです。
正直、化学構造分析が苦手な方はこの本を読んでいれば苦手意識が無くなるのではないかと思います。
大学の講義で学ぶ内容とモロ被りとなっていることも多いので、
目を通すだけでも良い復習になると思います。
この本で復習できる分野は
- 有機化学(鏡像異性体などの基本的なところ、人工香料の合成)
- 分析化学(質量分析法などの化学構造の推定)
- 生化学(Gタンパクなどの神経伝達物質)
と様々な分野についてこの本1冊で復習できます。
香りについて体系的に学べる
この本は
- 起源となる植物
- 抽出方法
- 香りの感じ方
- 香りの人工合成
- 香りの分析
といった具合で、香りについてのことが体系的に解説されています。
香水やアロマ好き、香りに興味がある人が勉強すること、知っておくべきことは解説してくれています。
1点注意したいことは
特に香料の観点から解説しているので、
アロマテラピーや香りを活用するといったことよりも
化学構造に焦点を当てて、香りの種類や人工合成についてアカデミックに解説してくれている印象です。
アロマテラピーの活用方法などを学びたい人は違う本を参考にするようにしてください。
まとめ:”「香り」の科学”について解説
今回は “「香り」の科学”について紹介しました。
この本の注目ポイントとしては
- 香料の視点から有機化学の合成を学べる
- 天然有機化学・分析化学などの復習ができる
- 香りについて体系的に学べる
上記3点となります。
有機化学などの知識が全く無い人にはとっつきにくい内容かもしれませんが、
このブログを見ている人の多くは薬学部関連で訪れており、
有機化学などの基礎知識はある程度備えている方達だと思います。
有機化学などの基礎知識のある方の中でも香りが好きな人には特に刺さりやすい内容となっているので、
興味のある方はぜひ読んでみてください。
以上、たくそんでした!